オーバーノンバンク論が出てくるのでしょうか?

クレジットカードの使い道は人それぞれで、世代間でも異なる傾向があります。利用者は賢く使い分けています。疲れないカードは淘汰されていくのでしょうか?

 

私90年代後半から2000年前半にかけて金融機関が相次いで破たんした時期がありました。トップの資材や財務状況の悪化によって銀行の「不倒神話」が崩れたのですが、この時「銀行の数が多すぎて過剰競争の結果倒産した」との悲観が生まれ「オーバーバンク論」が浮上しました。そんなに銀行は要らないと言うことなのです。

 

クレジットカード会社もこの2年間は発行枚数のノリが3%と純化し、業界が成熟期に入っています。 6年度のクレジットカード発行枚数は2億9,000万枚で、成人人口1億200万人から計算すると社会人一人当たり2.8枚を保有している事になりますが、実際は45枚は持っている人が多いと思われています。中には使わないカードもあるはずで「使って燃えないクレジットカード会社から知らないうちに年間1,000円から2,000円の年会費を口座引き落としで徴収されている」と不満を持つ人も少なくありません。こうした状況が続くとクレジットカードの淘汰が始まるかもしれません。

 

【用途に応じて使い分けているカードホルダー】

しかし。関係者は口を指摘します。「クレジットカード業界でオーバー版:が台頭することは当面ないだろうある銀行のキャッシュカードを何枚も持つ人はそう多くない。メインバンクのカードともーいちまいがせいぜいで、何枚も物とその管理が大変だからだ。しかしクレジットをカードは何枚あっても邪魔になるものではない。年会費は無料化の傾向にあるので、カード会社が多すぎるという企画は生まれない」

 

日本信販が4年3月に発表した「クレジットカードについての消費者調査」によると4枚以上保有している人が21%に達し、「前回調査ではカードを制する傾向が見られたが、今回は複数保有の度合いが増した」と記しています。また「週一回以上利用している」と答えた人が26%に上回るという結果が出ています。これは消費者が複数のクレジットカードを用途に応じて使い分けているということが背景にあると思われます。

 

インターネットショッピングでは、インターネット愛車のカードか初任給では石油系のカードETCでは専用カードと言うように賢い利用法方が定着しつつあると見て間違いないでしょう。

 クレジットカード業界で「オーバーノンバンク論」が浮上するのは今のところないかもしれません。しかし中小のクレジットカード会社は外資系の大資本に組み込まれているケースがあり、各地域にある小売商団体のクレジットカードは年々減少しています。こうした現状は信用金庫や信用組合などの地域金融機関が激減している金融業界と酷似しています。

 

中小の通っただけでなく銀行系クレジットカードの大手でさえ、メインバンクとの関係が希薄なっている時代です。多すぎるとの批判は出ていないものの、業界全体を俯瞰すれば整理、淘汰や新規参入によって、勢力図が徐々に変わっていくこととなるでしょう。